業界コラム
業界コラム
放送・映像

今話題のメタバースとは?NFTとは?エンタメ業界の今後について解説

話題のメタバースってなに?


メタバースとは、インターネット上に設けられた仮想空間のことです。それだけなら特段目新しいものではないのですが、最近よく見聞きするようになったメタバースはそれを大きく進化させたものです。仮想空間の中でリアル世界とほとんど変わらないようなサービスが提供され、自分のキャラクターであるアバターがその中でまるで生活するように滞在し、さまざまなサービスを受けられるところに大きな特徴があります。
例えば、オンラインゲーム。オンラインゲームの中にはひとつの仮想空間が広がり、そこに参加しているユーザー同士が関わりあったりしながらゲームを進行させていきます。メタバースはオンラインゲームのような仮想空間をさらに発展させたものだと考えると、理解しやすいのではないかと思います。
メタバースではVR体験ができるので、自分がアバターの目線になり、リアル世界ではできないような変身願望を満たしたり、リアル世界では出会えないような人と出会ったりといったことが可能です。これはまさにメタバースならではの楽しみ方で、今後さらにメタバースの世界から面白いサービスや使い方が誕生することは間違いありません。

メタバースの中でエンタメ活動をする方法


メタバースの中では、芸能活動をすることもできます。VTuberのようにアバターが活躍しているコンテンツは特に親和性が高く、すでにメタバース内で活動しているVTuberもいます。もちろん芸能界も注目しており、例えばエイベックスは「The Sandbox」というメタバース内にテーマパークを開設、そこをライブ配信やファンミーティングなどを開催する場としています。同様の活動は米津玄師や星野源などもすでに行っており、メタバースが音楽活動の拠点になりつつあります。VTuberのようなバーチャル的な存在だけでなく、リアル世界で活躍しているアーティストもメタバース内での活動を始めている点は、大いに注目するべきでしょう。
個人レベルの発信者に対しても、活動の場が広がっています。例えば、チケット販売のぴあが開発した「NeoMe」。これはメタバース内で個人ユーザーがアバターを使ってパフォーマンスを発表できる場なので、これからメタバースでの活躍を目指す人は、こうしたプラットフォームを活用するのもひとつの方法だと思います。

よく聞くNFTとは?NFTとメタバースの関係とは?


次に、メタバースを理解する上で外せないNFTについても解説しておきましょう。NFTは「Non-Fungible Token」の略で、日本語では非代替性トークンと訳されています。暗号資産のブロックチェーンの仕組みを応用したもので、NFTはデジタル資産でありながらコピーが不可能で(コピーしても偽物とバレる)、メタバースなどのデジタル空間で唯一無二のキャラクターやアイテム、アート作品などを流通させることができます。すでにNFTアートをメタバース内で販売している人がいますし、メタバース上のオンラインゲームで使えるアイテムなどがNFTとなって売買されるなどの動きが起きています。

メタバース経済の仕組み


上記のNFTという仕組みがあるおかげで、メタバース内のアバターやオンラインゲームのアイテムなどもNFT化して簡単に売買や取引ができます。これまでであればデジタル資産は偽物を疑う必要がありましたが、NFTであれば誰のものであるかが明確に記録されていて改ざんも不可能なので、偽物の心配をせずに取引や売買ができます。
しかもNFTの売買には暗号資産が用いられることも多く、メタバース内で完全に経済が完結しているのも面白い点です。もちろん、メタバース内で手に入れた暗号資産は交換所で日本円などのリアル通貨に交換することもできます。
さらにメタバース経済の面白い例としては、「Decentraland(ディセントラランド)」というメタバース内で行われている不動産取引もあります。この「Decentraland」の中ではLANDと呼ばれる土地が販売されており、これもブロックチェーンで管理されているので改ざんの心配がなく、大手企業も購入して本格進出が進んでいます。

メタバースはどこへ行く?将来性や今後の可能性


メタバースが登場した当初は、一部の「新しいもの好き」の人たちのおもちゃのように捉えられていました。しかし時期を同じくして暗号資産やNFTの仕組みが整備され、メタバースがもうひとつの世界として意識されるようになり、まるでリアル世界のような経済が誕生しました。すると、個人ユーザーだけでなく大手企業も関心を持つようになり、実際に多くの大手企業が進出を果たしています。
Facebook社が社名をMetaに変えるほど力を入れているのは、それだけメタバースに将来性を感じているからです。総務省が発表したレポートでもメタバース市場は2030年には78兆円以上になり、2021年の20倍近くにまで成長すると試算されています。
メタバースの本格的な成長は、まだ始まったばかりです。この大きな波に乗るためにも、今からメタバースの世界に飛び込む準備を始めてみませんか?