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エンタメ業界を目指す人が知っておくべき大学と専門学校の違い

エンタメ業界で「なりたい自分」になるためには、エンタメ業界で活躍するためのスキルを身につける必要があります。そのためにあるのが専門教育で、主なルートには専門学校と大学があります。それぞれに特徴があるわけですが、エンタメ業界を目指す人はどちらに進むべきなのでしょうか。専門学校と大学の違いを解説しつつ、進路を決めるためのアドバイスをしたいと思います。

 

専門学校と大学の主な違い

専門学校

専門学校は文字通り、それぞれの分野で活躍するために必要な専門知識や技術を身につけることを目的とした学校です。専修学校やその他の各種学校と呼び名が異なるのは、高等教育機関としての専門課程が国や自治体などから認められている学校である点です。

エンタメ業界で活躍するためのスキルには、実にたくさんの種類があります。歌唱力やダンス、表現力といった能力はもちろんのこと、自分の思いを伝えるコミュニケーション力や裏方としてのマネジメント能力など、これら以外にもまだまだあります。専門学校ではそれぞれの分野に特化した教育プログラムが設けられているので、ピンポイントで「なりたい自分」になるための高度な教育を受けることができます。

 

大学

大学教育の目的は、学術研究です。それぞれの学部、学科が目指している学術研究に関与できるだけの知識と一般教養とともに学ぶことができます。専門的な分野だけでなく一般教養を幅広く学ぶことが必須になっているのも大学の特徴で、例えば語学にも英語だけでなく第二外国語といってもう1つの外国語も必修科目となっています。

就職のために大学を目指そうと考えている人は多いと思いますが、実はそれは正確ではありません。なぜなら大学は学術研究を目的とした教育機関であり、専門的な分野への就職を目指す場合であっても即戦力となるような内容までは教えていないからです。一般的な企業のサラリーマンを目指すのであれば適しているかもしれませんが、エンタメ業界のようにそれぞれの職種が特殊なスキルを求めている世界を目指すとなると、本格的な教育を受けるために大学とは別に専門的な教育を受ける必要があります。

 

専門学校と大学 入学前の違い

専門学校と大学では、入学選考に大きな違いがあります。大学には「大学入試」という言葉があるように、必ず入学試験があります。それぞれの大学の入学試験だけでなく大学入学共通テスト(旧センター試験)を利用する形などさまざまですが、主に高校までで学んだことに対する学力テストによって合否が判定されます。大学入試の難易度を示す偏差値という概念も、大学入試特有のものです。

これに対して専門学校には学力テストに相当する入試はほとんどありません。それぞれの学科から目指せる業界に入りたい、活躍したいという熱意が主な合否の判定材料になるので、作文や面接によって選考をしている学校が大半です。もちろん偏差値という概念もないので、自分が目指したい学校にフラットな目線でチャレンジできます。

 

専門学校と大学 在学中の違い

入学してからの生活にも、専門学校と大学とでは大きな違いがあります。専門学校は目指すゴールに向けて一直線、基礎から応用、実践に至るまですべては「なりたい自分」になるために必要なものばかりです。講師や先生も業界で活躍している人や経験者など、現場を知っている人が中心です。自分がなりたいと思っている職業に就いている本人から直接教わることになるため、とても実践的です

大学の授業は文部科学省によって定められた枠組みがあるので、最初は一般教養から始まり、3年次から専門課程に入っていくのが通常の流れです。目指すゴールとは直接関係のない授業もありますが、これは「教養を深めるため」です。大学で先生となるのは、教授や准教授です。いずれも専門分野の研究をしている学者さんで、それぞれの分野のオピニオンリーダーになっているような人もいます。そんな人から専門的な知識を直接学ぶことができるのは、その分野を学術的に究めたい人には魅力的でしょう。

 

専門学校と大学 卒業後の違い

専門学校と大学では、卒業後の進路もかなり違います。専門学校は入学した時に目指してきた憧れの業界への就職を目指しますが、専門学校によっては業界とのパイプを有しているので有利な条件で就職ができることもあります。就職希望業界がはっきりしているのでブレることもなく、目指している業界への就職が決まれば就職活動は成功です。

就職後に出会う人たちは、それぞれ同じようにエンタメ業界を目指してきた人たちです。同じ学校で学んできた人たちは「同志」になりやすく、卒業後も同じ業界で交流しながら活躍していく人も多く見られます。

大学の就職活動は、特定の学部や学科を除くと幅広い業界が対象になります。企業側も特定の学部や学科を卒業する人だけに採用対象を絞っていないので、個々の能力や企業との相性も就職活動に大きく影響します。また、大学の場合はさらに学術研究を進めるために大学院を目指す人もいます。

大学にも専門学校と同様に同じ学校を卒業した人同士のコミュニティがありますが、先輩と後輩のつながりを重視するケースが多く、就職活動でも「学閥」といって同じ大学出身者が派閥のようなものを作っていて、その学閥と同じ大学の出身だと有利になることがあります。